楽天モバイル【1GB無料終了】で実質無料へ~このタイミングで乗り換えるべき?
いよいよ「1GB無料」を廃止、移行期間として楽天ポイント付与による実施無料へ移行します。このタイミングで他社へ乗り換えるべきか、あるいは継続すべきかをについて考えます。

楽天モバイルは、UN-LIMITⅦに移行後も「移行措置」として1GB以下を完全無料で利用できましたが、9月・10月は料金支払いが発生するようになり、相当分の楽天ポイントが付与される『実質無料』に移行します。このタイミングで乗り換えるべきなのでしょうか。
楽天モバイルは、7月1日から「UN-LIMIT Ⅶ」に移行し、本来なら従来無料で利用できた1GB以下の高速通信容量利用であっても最低料金の1078円(980円+税)が課金されるようになりました。
ただし、4か月間の「移行期間」を設け、はじめの2か月(7月・8月)は従来通り1GB以下なら無料で利用でき、後ろの2か月(9月・10月)は一旦支払いが生じるが、相当分の楽天ポイントが付与されて『実質無料』で使える…というカタチで運用されています。
さてその移行期間のはじめの2か月の終わりがそろそろ見えてきたタイミングで、『支払いが生じるなら乗換えようか』『実質無料なら継続使用か』とお悩みの方もいるかもしれません。
そこで、8月末のタイミングで乗り換えるべきか、10月まで継続すべきかを考えてみようというわけです。
そもそも楽天モバイルを利用するメリットはなんだろう?

【1GB以内を無料で使える】
これは非常にインパクトのある施策で、これが盛り込まれた「UN-LIMIT Ⅵ」では契約者数が大幅に増加した一方、「繋がらない」「圏外になる」などの声も依然として少なくありません。
楽天モバイルでは、2023年度には4G基地局を6万局超に拡大し、これによって人口カバー率は99%に達する見込みだとしていますが、単に机上の数値だけでない実際の使用感は、建物内やビル影、地下街などであまり良好な通信品質とは言えない面もあるようです。
実際に都内へ通勤して毎日スマホを利用している家内に聞いても、他の3キャリアに比べると通信できない場所が多い印象があるとのことなので、やはりまだ「厚み」の部分で基地局が足りていない側面があるようです。
ただ反面、「料金」「端末」の面では他3キャリアを凌ぐものがありますし、料金面で対抗するMVNOと比べれば繋がった場合には「通信速度」の面で、さすがキャリアと思わせる速さを持っています。
料金面でのメリット
1GB以下無料は11月以降は消滅してしまうので、もはや楽天モバイルのメリットとして挙げるべきことではありませんが、3GBまでの料金1,078円は、Povo2.0(au)やLINEMO(Softbank)の3GBプランと同等クラスです(実際には税込で88円の差額がある)。
PovoやLINEMOと同じく、キャリアの通信品質を勘案すれば十分割安で継続利用に値するプランです。
また、20GBでは3キャリア料金より約1,000円割安な2,178円(1,980円+税)で利用可能ですし、21GB以上では、容量に上限制限のない「使い放題」で3,278円(2,980円+税)とダントツの安さを誇っています。
いわば、楽天モバイルは大容量を使えば使うほどお得なキャリアということができます。

20GB以上の大容量派は楽天モバイル継続で問題ないと思いますが、未だ圏外になるエリアがあることや、通信障害時の代替などが気になる場合には、IIJmioのeSIM(440円/2GB)などのコスト負担が小さい、「いざ」という時用の「2枚目SIM」を契約しておくと安心です。
Rakuten Linkでの無料かけ放題もコスト低減のポイント
加えて「Rakuten Link」を利用した通話が「通話料無料かけ放題」であることも大きなメリットです。
「Rakuten Link」は楽天モバイルのデータ通信回線を使用して通話やSNS機能が利用できますが、毎月の基本料も、1回ごとの通話料も課金されない「完全無料」であることが最大のメリットで、通話料を大幅に削減できます。

ただし『通話音質』に関しては、通常の通話回線と「Rakuten Link」では正直比べ物になりません。やはり通話専用回線では雑音が少なく途切れることなく通話できますが、Rakuten Linkは通信回線を利用するだけに通信状態に大きく左右され、通信状態が悪い場合にはまったく会話が成り立たなかった場面も経験があります。無料かけ放題ではあっても、必ずしも快適な通話が無料で約束されているわけではありません。
Rakuten Linkの音質の悪さをカバーするためには通常の通話回線からの発信(発話)が必要ですが、いかんせん20円/30秒は割高すぎますので、G-Callなどの通話サービスの併用がおすすめです。
※「G-Call」についてはこちらをご参照ください。
https://enjoycamper.info/mobile/call_appli/
端末価格の安さはキャリア随一
流通系の強みなんでしょうか、あるいはユーザーを集めるための施策の1つなのかもしれませんが、端末価格に関してはかなり割安な印象です。
特にiPhoneに関して安さが目立ちます。
端末購入も含めてキャリアを選ぶのであれば、楽天モバイルの端末価格設定は魅力的です。
繋がれば速い楽天モバイル
通信エリア内の厚みが足りないという指摘がなかなか払拭できない楽天モバイルですが、基地局に接続できさえすれば、さすがのキャリア品質と良好な通信速度を利用することができます。
料金的に見れば、楽天モバイルよりも割安なMVNOプランは存在しますし、それはそれで充分チョイスに値する価値を持ってはいると思いますが、概して、MVNOはやはり速度低下の時間帯があることは否めません。
その低下ぶりが許容できる範囲であれば、MVNOも十分利用価値があると思いますが、絶対的な品質や速度に関しては、やはり自社通信網を持つキャリアとは同列には語れません。
通信品質や接続時の通信速度などを勘案すると、自社通信網を持つキャリアである楽天モバイルを利用することにはそれなりの意味があるように思います。
9月・10月も楽天モバイルを継続すべき理由

筆者自身は、11月以降はわかりませんが、9月も10月も楽天モバイルを継続するつもりでいます。
その理由は簡単です。ほんの少しですが『お得だから』です。
1GB以下「無料」より「実質無料」の方が1%ほどお得になる
『ポイント付与で相殺されると言っても、実際に料金が発生するのは嫌なので解約・乗換えだ』
そうお考えの方も少なくないと思いますが、実は、実質無料の方がほんの少しでもお得だということにお気づきでしょうか?
楽天モバイルはクレジットカード決済ですので、9月以降に1GB以下の利用でも1,078円がクレジットカードに対して請求されます。
すると、クレジットカードでの決済額1,078円に対して、クレジットカードのポイント還元が行われるので、単純に「無料」よりも気持ちお得になるのです。
1%還元のカードなら1,078×0.01=10.78=10P還元、2%還元カードなら21.56=21Pの還元が得られるので、単に無料よりも10~20円ほどお得になる…というわけです。
『そんな微々たる違いなら別にいいよ』
という方は構いませんが、別に損にならないし逆に少し得になるなら継続でいいかな…と感じた方は9月・10月も楽天モバイル継続がおすすめです。

実際の支払額・ポイント付与額は、9月=プラン料金1,078円+ユニバーサルサービス料2円+電話リレーサービス料1円=1,081円、10月=プラン料金1,078円+ユニバーサルサービス料2円=1,080円となります。
SPU+1倍を維持
楽天モバイルの契約が継続している間は、SPU+1倍が維持され、楽天モバイルでの買い物時のポイント付与が+1%になります。
楽天市場での買い物が多い方には、このSPU+1倍はかなり大きなメリットです。
かといって、1GB以下でも有料化される11月以降も継続して月間1,078円を支払うことになると、+1倍で貰えるポイントをペイするには毎月107,800円分の買い物が必要となり、あまり現実的ではありません。
そこで、やはり1GB以下を無料で利用できる期間である9月・10月の2か月間は「SPU+1倍」を維持する…というのが順当ではないでしょうか。
9~10月中に新型iPhone「14」シリーズが発売になる
例年のスケージュールから見て、今年も9~10月中にiPhone 14シリーズが発売されるのはまず間違いのないところです。
もし、iPhoneユーザーで今年が買換えタイミングに当たる方は、8月で解約せずに9~10月も継続している方が良いかもしれません。
楽天モバイルが最安または最優良条件だった場合
楽天モバイルで新型iPhoneを購入できます。
楽天モバイルは回線契約とは別に、端末の分割購入契約は継続しますので、そのまま分割払いを継続できるので、1GBが実質無料が継続する10月末で回線解約、分割支払い継続…が可能です。
もちろん、一括払いでの購入も可能です。
他社の方が割安または優良条件だった場合
より良い条件を出している他社と契約(MNPによる乗り換え)を行い、割安にiPhoneを購入できます。
多くの場合、他社からのMNP乗り換えに最も有利な条件が付加されるので、9~10月も実質無料で使える楽天モバイルを継続しておいて、各社の条件を見極めたのちにMNPを利用して乗り換え、できるだけ好条件でiPhoneを購入することができます。
このように、9~10月も楽天モバイルを継続しておくことで、iPhoneの最も好条件のキャリアでiPhoneを購入できる可能性が高いと言えます。
iPhone 14を狙っているなら、9~10月も1GB実質無料の楽天モバイルを継続しておいて、どこで購入するのが最も割安で好条件なのかを見極めるとよいと思います。
あえて乗換える場合におすすめの通信プランの組み合わせ
『その辺はもういいのでできるだけコストを抑える通信サービスとプランを教えて』
という方向けに、現時点で筆者が考える最安回線維持プランをご紹介しておきます。
月額無料が可能なpovoを中心にLINEMOとG-Callを併用するプラン
「Povo2.0」にMNPして電話番号を移しメイン回線とし、データ通信用に「LINEMO」、通話料に「G-Call」を併用するプランです。
「Povo」は、月額基本料が存在しないためトッピングを購入しない限り月額コストは0円ですので、電話番号を無料で維持できることになります。
しかも「Povo」には、「24時間使い放題(330円)」のトッピングがあり、旅行に行くとか、終日外出先ワークだ…という場合に、2日間の単発で使い放題を利用できるメリットもあります。
通話はPovo回線の電話番号を使用し、110/119/118などの緊急通報や他の3桁通話、特定の局番「0570」等はG-Call通話対象外を除き、G-Callでかけられる相手は8円/30秒で通話が可能になります。
「LINEMO」は、現在キャンペーン中で、回線開通後3か月目から6か月間、ミニプラン(3GB)の基本料金990円分をPayPayポイントで還元されますので、最低8か月間はこれを利用します。
この時、LINEMOは廃止月は日割なので、月末ギリギリに開通するようにすると初月の基本料金が1~2日分に圧縮することができ、2か月目の990円と合わせても『1000円と少し』で8か月間利用できることになります。
例えば月末3日間を残したタイミングで開通した場合の初月の請求は約100円程度なので、2か月目の990円と合わせて1,090円の負担が発生しますが、3か月目からの6か月間は990円分のPayPayポイントが付与されるため実質無料となるため、8か月間を1,090円で利用できることになります。
8か月1,090円を月額換算すると136.3円/月となります。
もし、LINEMOの3GBを使い切ってしまった場合には、Povoの「1GB」(390円)をトッピング購入することで、割安に容量追加が可能な点もこのプランのメリットです。

この場合も前出の楽天モバイルの「実質無料」と同じで、単に無料となるよりも、決済される990円に還元されるクレジットカードのポイント分だけ「お得」ということになります。

Povoは大丈夫なの?と思われる方もいると思いますが、先日の通信トラブルで、自分は逆にKDDIの通信サービスは質的向上が見込めるのでは?と思っています。ああしたトラブルを次に起こしたらKDDIという企業自体が存続できなくなる可能性もあるはずです。それを思えば、身を引き締めて取り組んでくれるのではないか…そんな期待を持っているのですが…。
最安MVNOとPovo2.0の組み合わせにG-Callを併用するプラン
無料で回線維持できる「Povo2.0」に電話番号を移行(MNP)するのは上記と同じです。
無料で回線維持(つまり基本料が不要)しながらも音声通話についてはかけた分だけの通話料で済むので、通話しなければ実質無料で電話番号を維持できます。
ただし「Povo」の通話料は20円/30秒と割高なので、G-Callを経由することで8円/30にまで通話料を圧縮することが可能です。
データ通信にはMVNOの1~5GBの最安プランを組み合わせます。
なお、Povoで電話番号は維持できるので、MVNOは音声通話プランに限らず、データ通信専用プランも含めて検討します。
1GB未満 | 1GB | 2GB | 3GB | 4GB | 5GB | |
IIJmio | → | → | 440円 | → | 660円 | 1,100 |
NUROモバイル | 330円 | → | → | 627円 | → | 825円 |
日本通信SIM | → | 290円 | 510円 | 730円 | 950円 | 1,170円 |
b-mobile | 190円 | 528円 | → | 935円 | → | 1,595円 |
HISモバイル | 290円 | 440円 | → | 580円 | → | 880円 |
こちらは、IIJmio・NUROモバイル・日本通信・b-mobile・HISモバイルのデータ容量ごとの月額料金です。
日本通信SIM「シンプル290」のみ、音声通話機能付きSIMで、他はデータ通信専用SIMです。
(1)1GB未満
NUROモバイルは330円/0.2GB、b-mobile(日本通信)は190円/100MB、HISモバイルは290円/100MBを提供しています。
通信は行わず回線を維持するだけならb-mobile「190Pad SIM」プランが月額190円で最安ですが、それなら「Povo2.0」を無料で持っていた方がコストが全くかからない上、初期費用やSIM発行手数料も無料なのでお勧めです。
HISモバイルの290円/月額も一部で話題になっていましたが、日本通信SIMであれば同じ月額290円でデータ通信1GBが付帯する分だけおすすめです(そもそもHISモバイルの回線は日本通信が供給しています)。
(2)1GB
1GBでの最安は日本通信SIMの「シンプル290」プランで、月額290円で1GB付きです。
しかも、この基本料金で音声通話が可能です。コスパで考えたら最強SIMの1つでしょう。
日本通信の特徴は「従量課金制」です。
他社の「固定課金制」では例えば1GB/月を2GB/月にプラン変更する場合、適用されるのは翌月以降となりますが、日本通信では使った分だけ支払う「従量課金制」なので、その月から好きなだけ容量を使うことが可能です。
(3)2GB
2GBで最安なのはIIJmioの「ギガプランeSIM」の440円/月ですが、こちらはデータ通信専用で「ドコモ回線限定」「要eSIM対応」等の条件付きとなります。
eSIM限定になりますが、440円/2GBはかなりインパクトのある料金設定です。
(4)3GB
3GBでは580円/月で使えるHISモバイルが最安となります。データ通信専用SIMです。
(5)4GB
4GBでは再びIIJmioの「ギガプランeSIM」が最安となりますが、「ドコモ回線限定」「要eSIM対応」等の条件付きとなります。

MVNOはどうしても回線混雑時の速度低下が起こりがちです。利益を生めるギリギリの回線量しかキャリアから借り受けないため、どうしても最混雑時には回線量が足りなくなり速度低下が起こりやすくなります。料金主眼で選ぶならMVNOも「あり」ですが、品質・速度で選ぶなら「Povo」や「LINEMO」などのキャリアの格安プランがおすすめです。
今回は、楽天モバイルの1GB無料が9月以降は「実質無料」となるタイミングで、楽天モバイルを継続すべきか、他社乗り換えを検討すべきかを考えてみました。
いくつかの要因から、筆者であれば、ここは楽天モバイルを継続しておいて、新型iPhone発売や、1GB以下有料化のタイミングで再度、継続か乗り換えか…を検討したいと思います。
ただ、先日のauの事例で「いつ起こるか分からない通信障害への備え」が重要であることが身に染みてわかったので、「サブSIM」「2枚目SIM」を用意しておくことは、楽天モバイル(つまりメイン回線)の継続とは無関係に検討しておくべきと考えます。
それでは今日はこの辺で。
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