高速データ通信3GBを1,000円/月以下で使える格安SIM~できるだけ割安な通話サービスとセットで
今回のテーマは、高速通信3GBを月額1,000円以下で使える格安SIMと、割安な通話料の通話サービスを組み合わせて低コストのモバイル通信プランをつくってみました。

楽天モバイルが「データ使用量1GB以下無料」の制度を廃止し、すべてのユーザーに対して最低1,078円の基本料を課金する「UNLIMI Ⅶ」を発表以降、多くの楽天ユーザーさんが乗り換え先を検討しているようです。
そんな流れを受けて、3GBを1,000円以下の基本料金で使用できる通信サービスを探そう…というわけなんですが、でも、楽天モバイルも1GB以下無料が廃止になるだけで、1GB超のプラン内容には変更はないんです。
つまり、3GB以下は1,078円、20GB以下は2,078円、20GB超は3,178円のままで使えるので、プランを他社に乗換えなくても『3GB=1,078円』で利用できるんです。
でも「1GB以下は無料ですよ」「無料でウチを使ってください」と自らアピールしてユーザーをあつめておいて、企業のトップが「ずっと無料で使われても…」と発言するような、どこか騙されたような、欺かれたような気分がして、乗り換えようと思った方が多かったのではないでしょうか。
自分もそうで、プランリリース当初は「想定より無料で使っている人は少ない」と言っていたのに、いまになって、無料で使う人間が悪い、ずうずうしいみたいに言われることに憤りを覚えました。
企業は利益を求めるものですから、プラン内容を変えることだってあると思います。そこは分かっているつもりです。でも、言いかたってありますよね。
そんな言われ方してまで楽天に留まるつもりはない…というわけです。
楽天モバイルを使うメリットは何だったのか
他社サービスに乗換えるには、まずは楽天モバイルは何が良くて使っていたのかを明確にする必要があります。
赤線の項目については、楽天モバイルから他社に乗換えても代替できない楽天モバイルだけのサービス、楽天モバイルだけのメリットといえます。
例えば、(1)の高速データ通信1GB以下無料については、Povoは基本料金は無料ですが高速通信は有料トッピングですので、高速通信1GBを無料で使えるのは楽天モバイルだけです(今回廃止です)。
(4)のRakuten Linkによる「通話無料かけ放題」や、(7)の楽天ポイントの付与率については、他社では得られない楽天モバイルユーザーだけの特典ですので、他社乗り換えするならあきらめるほかありません。
反面、(5)(6)については、他社でも契約手数料やMNP手数料を無料にしている通信サービスは増えていますし、MVNO各社ではAndroidスマホを割安に購入できるケースもあります。

つまり、これらのことを総合すると、今回の乗り換え先探しでは「3GB=1,000円以下」と「通話をできるだけ安くする方法」を探すことがメインとなります。
逆にこちらは、楽天モバイルのデメリット、弱点です。
(1)通信エリア、(2)電波が弱い場所がある
この2点については、他社に乗換えればすべて解消します。
というのも、楽天モバイル以外の大手キャリアのエリアは横並びで98%に及んでおり、楽天モバイルはMVNOに通信回線を貸し出していないのですべてのMVNOが大手3キャリアの回線を使っているので、キャリアもMVNOも含めて楽天モバイル以外のすべての通信サービスがエリアや電波の強さでは「上」ということになります。

つまり、「3GB=1,000円以下」で「通話料をできるだけ安くする方法」を見つけると、通信エリアや電波の弱さの改善などが自動的に「オマケ」として漏れなく付いてくるという訳です。
というわけで、以下では「3GB=1,000円以下」の通信サービスを探してみたいと思います。

「できるだけ割安な通話料金」については1つ前の記事で詳しく取り扱っていますので、そちらをご覧ください。8円/30秒の通話料金、月額770円の10分かけ放題などを紹介しています。
➡ 楽天モバイル無料通話がなくても大丈夫!代わりの格安通話アプリを探す
楽天モバイルを主回線にMVNOして「IIJmio」ギガプランをeSIMで
第2案は、主回線:楽天モバイル+副回線:IIJmio(eSIM)です。
現在、奥さんの主回線はLINEMOに置いていますが、これを楽天モバイルにMVNOで移動し、物理SIMで契約しなおします。
現状の副回線として利用中の楽天モバイルは解約します。
その上で、IIJmioのギガプランをeSIM(データプラン)で契約します。
奥さんの端末iPhone 11に、主回線「楽天モバイル」+副回線「IIJmio eSIM」を入れることで、以下の月額コストで利用することができます。
楽天モバイル | IIJmio eSIM | 月額合計 | |
3GB | 1GB無料 | 2GB=440円 | 440円 |
5GB | 1GB無料 | 4GB=660円 | 660円 |
9GB | 1GB無料 | 8GB=1,100円 | 1,100円 |
5GB=660円、9GB=1,100円はかなりデータ容量にするとかなり割安です。
これに、3桁番号や「0570」等の対象外以外の電話番号には「Rakuten Link」経由で通話かけ放題無料になるので、コストはかなり抑えられそうです。
さらにデータ容量が足りない場合には、IIJで追加購入(1GB=220円)が割安で、例えば1GB追加して合計6GB使った場合の料金は880円となります。
ただ問題は、LINEMOは大手キャリアのサービスですから気にする必要がなかった「速度」です。
格安SIMは多かれ少なかれ、ピーク(利用者の集中)時の速度低下は避けられませんし、どちらかというとIIJは低下の度合いが大きい印象があります。
実際「格安SIMの速度比較サイト」さんの実測データを参考にさせて貰っても、特に昼時の速度低下は否めません。au回線であれば少しマシなようですが、料金を考えるとeSIMをチョイスしたいので、回線はドコモになります。
➡ 参照元:「格安SIMの速度比較サイト」
ただ、データによれば昼12時台に速度低下しても10Mbps前後は出ているので十分と言えば十分ですが、人気格安SIMはどうしても利用集中が起きやすいので気になるところではあります。
➡ IIJmio ギガプラン
楽天モバイルを主回線にMVNOして「NUROmobile」と組み合わせる
第3案は、主回線:楽天モバイル+副回線NUROmobileです。
この組み合わせの場合は、楽天モバイルがeSIMになります。
この案もIIJmioと同様に、主回線を楽天モバイルにMVNOで移転して、副回線にNUROmobile「バリュープラス」をデータSIMで契約するパターンです。
| 楽天モバイル | NUROmobile | 月額合計 |
4GB | 1GB無料 | 3GB=627円 | 627円 |
6GB | 1GB無料 | 5GB=825円 | 825円 |
11GB | 1GB無料 | 10GB=1,320円 | 1,320円 |
IIJで1GB追加して合計4GBまたは6GB使った場合より、割安でかなり安い料金で利用可能です。
ただ、「格安SIMの速度比較サイト」さんの実測データによれば、NUROmobileの場合も懸念はピーク時の速度で、昼時はIIJmioよりもの速度低下が著しく5Mbps程度になるようです。
メールやSNS、WEB閲覧程度なら5Mbpsでも十分実用範囲ですが、ウチの奥さん、動画を見るんです。
昼休みに動画を見るかどうかは知りませんが、安全マージンとしてせめてどの時間帯でも10Mbpsは確保しておいた方がよいのではないかと思います。
料金的には一番安そうですが、実用面で少し不安ですね。
➡ NUROMobile
楽天モバイルを主回線にMVNOして「y.umobile」と組み合わせる
それでは、「格安SIMの速度比較サイト」さんのデータで上位のMVNOの料金プランをチェックしてみたらどう?ということで、「y.umobile」をピックアップしてみました。
y.umobileは、U-Mobile(U-Next)とヤマダ電機の合弁会社として2007年に誕生したMVNOで、高速通信と、余ったデータ容量を最大100GBまで永久に繰り越せるなど独自色を打ち出しています。
「格安SIMの速度比較サイト」さんの計測結果によれば、全体的な速度は格段に速いわけではありませんが、ピーク時の落ち込みが少なく安定した速度を維持しているようです。
料金プランも独特で、データ専用プランは廃止されて3つあるプランすべてが音声通話付きプランです。奥さん向けには、5GBで月額1,070円が希望に合致しそうです。
| 楽天モバイル | y.umobile | 月額合計 |
6GB | 1GB無料 | 5GB=1,070円 | 1,070円 |
余ったデータ容量をずっと繰り越せるのは奥さんの興味を惹きそうです。また、データの追加購入は、通常1GB=330円ですが、10GBまとめて購入すると1,200円(1GB当たり120円)とかなり割安になる辺りも面白いです。
速度もまずまずでピーク時の落ち込みが少ない上、10GBまとめ買いで1GB=120円になるので、月6GB超を使うのであればお勧め候補になりそうです。
通信速度を加味して勘案するとIIJmioギガプランが最適か
料金面では拮抗していますが、通信速度も加味して勘案した場合には、候補の中ではIIJmioのドコモ回線が良好な速度を維持しているようです。
一日を通して20Mbps以上、速いときには30Mbpsを超えることもあり、最ピークの昼12時台でも10Mbps程度を維持できているなら悪くないんじゃないかと思います。
eSIMで容量は4GB(月額660円)をチョイスしておいて、楽天モバイルの無料通信1GBを合わせて月間5GB、容量が足りない場合には、1GB=220円で購入がというパターンが良さそうです。
また、IIJmioの容量追加は1GB/220円と割安なのでこちらの利用をデフォルトとしておけばよいですが、スーパーサブ的にPovo(eSIM)を入れておけば、24時間使い放題などの他のトッピングも使えるので選択肢の幅を持っておくことができます。
| 楽天モバイル | IIJmio eSIM | IIJmio 追加購入 | 月額合計 |
3GB | 1GB無料 | 2GB=440円 | 440円 | |
4GB | 1GB無料 | 2GB=440円 | 1GB追加=220円 | 660円 |
5GB | 1GB無料 | 4GB=660円 | 660円 | |
6GB | 1GB無料 | 4GB=660円 | 1GB追加=220円 | 880円 |
7GB | 1GB無料 | 4GB=660円 | 2GB追加=440円 | 1,100円 |
9GB | 1GB無料 | 8GB=1,100円 | 1,100円 | |
10GB | 1GB無料 | 8GB=1,100円 | 1GB追加=220円 | 1,320円 |
9GBまで、ほぼ1,000円で利用できますし、6GB=880円なら、現状のLINEMO月額990円より容量は多くて料金は下がるので、あとはキャリア品質の通信でないことに納得できるか…ですかね。
➡ IIJmio ギガプラン
昨今では、MVNOもかなり速度が上がってきているので、以前のようなピーク時に使い物にならない…といったことはなくなったのではないかと思います。
ただ1点問題なのは、手数料です。
楽天モバイルやLINEMOは手続きにコストがかかりません。
・楽天モバイル:MNP転出も転入も、SIM交換・再発行も手数料はかかりません。
・LINEMO: MNP転出も転入も、SIM交換・再発行も手数料はかかりません。
IIJmioは、転入の際には、初期費用3,300円、SIM発行220円(eSIM)が必要です。
y.umobileも初期費用3,300円、SIM発行手数料440円がかかります。
コストの点では、初期費用が不要なNUROmobileも魅力がありますね。
初期費用やSIM発行の手数料がなければ気軽にお試しできるのですが、IIJは3,520円もかかってしまうので、使ってみたけどダメだった…ですぐに転出では勿体なさ過ぎるんですよねぇ。
10GB前後まで使いたい場合には、10GBまとめ買いを活かして「y.umobile」がお勧めですね。
試してみないと分からない…と言われたら、初期費用のないNUROmobileで試して貰いましょうか。
いずれにしても通話無料かけ放題の楽天モバイルを中心に検討する形になります。通信料金の請求がきて思っていたより高くて「あれ?」と思うのは、大抵の場合、通話料金です。
データは月額固定なので変動ないですが、通話料は従量制(使った分だけ払う)なので通話したことを忘れているとぎょっとすることがあります。
その点で、対象外はあるものの基本的に通話無料でかけ放題の楽天モバイル中心に考えざるを得なくなります。
今回は、奥さんの4~10GB程度の新たな料金プランの組み合わせを考えました。
気に入ってくれるかな。
それでは今日はこの辺で。
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