切れないライン、バレないフック
数年前と違って、最近の管理釣り場は、どこも釣りにくくなっていますね。
魚が遺伝子として、「ルアーは痛い」と伝えているように感じるほどです。
それに対応するかのように、ルアー自体はもちろんのこと、
ラインやフック、果てはスナップ等もどんどん進化していますよね。
切れないラインとか、フックアウトしにくいフックとか…。
そのことで、先日、管釣りデビューしたての友人と議論をする機会がありました。
昨今、議論=トラブルと捕らえ、避ける傾向がにわかに強まっているような気がしますが、
人と人が知り合うために、議論は非常に有効な手段だと思いますので、
議論を避けずに、色々話し合いましょう…というのが私のスタンスです。
ただ、注意しなければならないのは、自分の意見を主張したいばかりに、
相手を攻撃したり、相手の意見の欠点をあげつらうなどは厳に慎むべきですし、
熱く語るのはいいですが、同じ意見のもの同士が徒党を組むようなことは、
議論後の人間関係に暗い影を落とす可能性が高いので、
自分の意見がある場合は、個の意見として述べたいものです。
あれ?話しが変な方に逸れましたが、道具の進化の話しです^^;;
私もそういう面があったので、管釣りデビューから間もない友人が
「掛けた魚を100%取りたい」と思い、
その方法として、道具に目を向けたものごく自然な流れではあります。
曰く
『ねえ、KAZさん、ラインって何使ってます?』
「オス、オラ、ゴクウ」(そんなことは絶対言わん)
「オラは、クレハのR-18っていうフロロカーボンラインだよ」
『フロロって、感度いいらしいですけど、結束強度が一番弱いんでしょ?』
「イチバン…って、何と比べてイチバン?」
『ナイロンとか、PEとかですよ』
「そうだったかもしれないけど、気にしたことないなあ」
『せっかく魚がかかっても、結束部分から切れたら泣くに泣けませんよね』
「滅多に切れないケド?切れるとしたら自分のチェック怠慢の時ぐらいだよ」
『いや、でも、雑誌とか見ると、結び目が弱いって書いてありますもん』
「そういうのは、科学的な検証をしたら、他の2種のラインより弱かったってことでしょ?」
「実際に釣り場で使っていて、すそパクラスでも結束の弱さなんて感じたことないなあ」
話しは変わって…
『バレないフックってないんですか?』
「どうだろ?あるかもしれないけど、ないかもしれないね」
『KAZさんはブログ読むと、バラシ病とかって書いてて、フック換えないんですか?』
「先が丸くなったら換えるけど…爪に当ててチェックするよ」
『そうじゃなくてバレないフックですよ』
「そんなん換えないなあ」
『なんで?』
「フックのせいじゃないと思うから…かな?」
『でも換えてみて、バレなくなったら、その方がいいじゃないですか?』
「そうかなぁ?トーナメントに出てるわけじゃないから、
バレて悔しがるのも、釣りの楽しみの構成要素じゃないかと思うんだけど」
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と、まぁ、こんな会話から始まって、
友人の言う「掛けた魚を100%取れるための道具」について議論を楽しんだ…、
ってわけなんです。
私、不公平な釣りをしても、ゲームとして面白くないって思うんですよ。
(ずっと以前にも記事にしたような記憶がありますが…)
「おひおひ、不公平な釣りってなんぞや?」ってことですが…、
魚は、自分の持っている筋力と、ヒレの大きさ、丈夫さ、そして身体のヒネリ方や、
ジャンプの仕方とか、全てその魚固有の「能力」で戦っているわけですな。
力の強いやつもいれば、すばしこいヤツもいて、どこへ潜り込んだら助かるか…
なんてことを知っているヤツもいるかもしれません。
それらは、アイツら魚自身が身につけた能力なんですな。
ところが一方の人間ときたら、
各々の釣り方に合わせた高性能なロッドやリールを駆使して対応するわ、
見えないラインだの、様々なシチュエーションに合わせたルアーなんぞ駆使しちまう訳です。
まぁ、人間は水に入って魚を追いかけまくることはできませんので、
一定の道具で水中の魚に対抗せざるを得ませんし、
もし仮に、自分が泳いで魚を捕捉できるのであれば、それは「釣り」ではなく
目的は「狩猟」でしょうし、行為としては「捕獲」って感じでしょうかな…。
それだと、主旨がちと違ってしまうので、
あくまで「ゲーム」としての「釣り」の範囲で考えるなら、
ロッドとリールを使って、ラインの先にフックのついたルアーを引きたいところです。
その辺を前提にさせて貰って、屁理屈を進めますね^^;;
で、私なんぞはヘタクソですから、その上さらに、
感度のいいラインでアタリを取って、太軸フックで折れ防止です。
それでも、私の腕だと、1日の釣行で何尾もバラシてしまうわけですが、
友人は、バラシを無くしたいと思い、さらに道具を進化させようと思ったわけです。
それは、言い換えると、
道具の~つまり科学の~進化で、自分の弱点を補おうってことなんですな。
しかし、私、思うんですよ。
ゲームは、力量が拮抗しているから面白い…って。
松坂と清原、野茂とイチロー、大鵬と柏戸(ふるっ!)、
美川憲一と小林幸子(ってそういう意味なの?~爆)
実力が拮抗していて、どっちが勝ってもおかしくないので面白いわけですもんね。
魚と釣り人にもいえるかな…と思うんです。
ホントは、ロッドもリールもなく、勝負しなくちゃ、平等な戦いとはいえませんが、
でも、そんなこと言ったら、「釣り」ではなくなりますので、
最低限の「釣り」の道具は使わせて貰うとして、
ただ、現状以上の「科学力」で、魚より優位に立つのは「もういいや」と思っているんです。
友人が言うように、切れないラインもあるかもしれませんし、
バレないフックもあるかもしれません。
「絶対に」は無理かもしれませんが、
現状より、はるかに魚にアドバンテージを持つことは可能でしょう。
でも、それでバレが減って、魚を取れるようになっても、
ちょいとヘソが人様と違う場所にあるらしい私なんぞは、
「それがどした?」などと思ってしまうんですな。
魚が勝つことがあってもいいじゃないですか。
こんだけの科学力をもってしても取れなかった魚を尊敬したくなります。
力任せに引っ張り、ラインをぶっちぎって逃げていった魚はポセイドンかもしれませんね。
掛かったフックをジャンプ一番、外して逃げていった魚は猿飛佐助かもしれません。
ラインを岩や杭にこすり付けて切って逃げていった魚はサイボーグ008かもしれません。
切れないラインではなく、バレないフックではなく、
ラインを切れないように扱い、フックがバレないように操作することで
そういう優れた能力をもった魚を取れた…と思えたら、もっとゲームが面白くなると思うんです。
わかったかな?トモダチ。
なんちゃって…、
ホント言えば、実は、それはアナタの自由なんですよ。
ゲームは、一人ひとりのコダワリや考えで成立するものでもあるのですから、
色々考え、自分なりの楽しい釣りを見つけてくださいませ。
そして楽しい釣りをご一緒しましょうではありませぬか…♪
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(注)全ての記事内容はあくまで私の主観ですのでその点をご理解の上お読み下さい。
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拙い記事を最後までお読み頂き、ありがとうございましたm(_ _)m
コメント
とてもおもしろい記事を読ませて頂きました♪
僕にとっての釣りとは魚との試合です。
魚にとっては命のやりとりですので、戦った相手には感謝しながらリリースします^^
大物に対しては敬意を示して美味しくいただきます^^
勝つ時もあれば、負ける時もある。だからこそ上手くなれるんだと信じています。
負けを知らない選手は成長しませんからね。
それに全部が全部、釣れちゃったらそれは釣りではなくなっちゃうような。
釣れない時があるからおもしろい!
これが僕のスタイルです!かっこいいこと言っちゃいましたが(笑)
これはあくまでも僕の考えですので、十人十色のスタイルがありますよね。
2008-12-16 22:08 フィッシング・ニモ URL 編集
ご訪問&コメントありがとうございます。
はじめまして…ですか?よろしくお願い致します。
魚を大切になさっているんですね。
>かっこいいこと言っちゃいましたが
カッコいい発言…というのは、概してその方のコダワリだったりしますよね。
そちらにも訪問させていただきますね♪
2008-12-17 00:18 KAZ@レイドバック URL 編集